魔法
昼下がりの光の下で微笑み返したら
いつまでも忘れない魔法がかかったような気がした
思い出すのはいつもその色
浮かんでは消えていくそれは
一瞬一瞬染めては白に戻される
ただ強烈に身を焦がすのは
わたしの一番好きな色
眩しすぎて閉じた瞼の裏側にある画
さわさわと揺れた花と
揺らした風の音が
ずっと残っている
ほらまた瞼を閉じれば
ずっとずっと
美しい絵音
あの夏を忘れたい、忘れたくない。
凛とした美しさに話しかける日々
春を閉じ込める
花は全て散ってしまって儚いものだけど
桜ってなぜこんなにも儚いんだろうと
花弁の舞う中で思っている
そうして来年も会えたらと祈るのだ